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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第16章 第四話【花笑み】 《其の弐》
「ところで、今日はそなたに渡したいものがあってな」
 無造作に差し出されたのは、黒塗りの笄。きらきらと光る石は何であろうか、小さな石が一枚、一枚花びらとなり、桜の花を象っている。艶やかにも可憐にも咲いた桜がついた瀟洒な笄だ。
「上さま」
 美空は小さく息を吸い込んだ。その愛らしい面に躊躇を見て、家俊が不審げな面持ちになる。
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