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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第17章 第四話【花笑み】 《其の参》
夕刻になり、一日中続いた矢代の詮議もひと段落し、続きは明日以降になるという。矢代は大奥の〝開かずの間〟と称される狭い納戸に監禁されていた。ここは昔は物置として使用されていたのだが、十数年前に奥女中の一人がここで変死を遂げたことから、開かずの間と称され普段は用いられなくなった。
大奥が開かれてから、既に百年以上が経過している。それでなくとも、女ばかりの世界は何か一種の秘密めいた雰囲気が漂い、この手の怪談話には事欠かないというのが実状らしい。
大奥が開かれてから、既に百年以上が経過している。それでなくとも、女ばかりの世界は何か一種の秘密めいた雰囲気が漂い、この手の怪談話には事欠かないというのが実状らしい。