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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第17章 第四話【花笑み】 《其の参》
ここに連れてこられた時、地味な小袖に着替えさせられたのであろう。確かにきらびやかな打掛も似合うには違いないが、紺地の沈んだ色がかえって矢代の膚の美しさを際ただせている。顔そのものは、あどけないと言って良いほどなのに、どこか蝶を惑わす花が持つ魔力のような色香を持っていた。
伏し目がちでおとなしやか、第一印象だけでいえば、恐らくは人眼に立たぬ控えめさを備えているはずであろうのに、どこか人を惹きつける。不思議な存在感のある女だ。
伏し目がちでおとなしやか、第一印象だけでいえば、恐らくは人眼に立たぬ控えめさを備えているはずであろうのに、どこか人を惹きつける。不思議な存在感のある女だ。