この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
「いや、何しろ、瑞音が大奥より暇を取ったのがあの騒動の直前ゆえ、何ぞの拘わりがあるのではないかと申す者もおってな。むろん、天下のご政道の一翼を担う筆頭老中たるそなたの姪が、そのような忌まわしき事件に拘わりがあると私は思うてはおらぬが」
「ありがたきご諚にございます」
堀田は取り出した手ぬぐいでしきりに額の汗を拭いていた。
桜の季節も終わり、今は初夏。
日中ははや汗ばむほどの暑さで、今も部屋の障子はすべて開け放っている。
「ありがたきご諚にございます」
堀田は取り出した手ぬぐいでしきりに額の汗を拭いていた。
桜の季節も終わり、今は初夏。
日中ははや汗ばむほどの暑さで、今も部屋の障子はすべて開け放っている。