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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第18章 第四話【花笑み】 《其の四》
庭には小さな池があり、汀に群れ咲く菖蒲が紫の花を涼やかに咲かせていた。
「ま、瑞音が暇を取ったのがあまり急であったゆえ、そのようなけしからぬことを囁く輩もおるのであろう。そのような噂、私は全く信じてはおらぬし、その者には厳重に注意しておくつもりじゃ。しかし、事が事だけに、一応、そなたの耳には入れておいた方が良かろうと思うてな」
「はっ、御台さまのありがたきお心遣い、この堀田筑前、痛み入りまする」