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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第3章 《其の弐》
 今年初めての雪だった。
 白い雪片と共に、たった今聞いたばかりの孝太郎の言葉が美空の心に降り積もり、静かに溶けてゆく。
 冷たいはずの雪は、美空の心を冷ややかなものではなく、温かいもので満たしてゆく。
「玉ゆらに 昨日の夕見しものを 今日の朝に恋ふべきものか」
 孝太郎がふと口ずさんだ。柿本人麻呂が詠んだという恋の唄だ。
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