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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第4章 《其の参》
 町医者に診て貰うようにと幾度かは勧めたのだが、どうにも気が進まないようで、美空は医者のところに行った風はない。
 やはり、何かの病気なのだろうか。孝太郎は嫌な考えに囚われ、慌てて首を振り、その不吉な予感を頭から追いやった。
 今朝、寝坊して弁当が作れなかったことも、美空の体調の悪さと無関係ではないだろう。しきりに謝る妻に、孝太郎は笑って構わないのだと言ってやった。昼飯を食べに帰ったついでに、恋女房の顔だって見られる。そう思い、孝太郎は一人で含み笑う。
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