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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 もうずっと昔、この世に生まれ出(い)でるその前から、あの男を知っていたような、どこかで見たことがあるような懐かしさを憶えたのは、何故なのか。
 もちろん、現実として、美空は、あの得体の知れぬ男に出逢ったのは今日初めてのことで、これまでに顔を見たこともなかったのだ。
―そんなのは考えすぎに決まってるじゃない。
 美空は無理に自分に言い聞かせた。
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