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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
 見よう見まねで始めた小間物の行商が思った以上にうまくゆき、孝太郎は一介の町人として生きてゆくことを決意した。父にも書状で、自分と尾張徳川家とは今後は何の縁もゆかりもなきものとして考えて欲しいと書き送った。
 孝太郎は名前も家も何もかも捨て、ただの小間物売りとして、粗末な長屋でひっそりと日々を過ごしていた。
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