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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
―面白き女子もおるものよの。
 と孝信はいたく興味を持ち、やがて、このお湯殿係は藩主の閨に召されることになった。そのため、孝太郎は陰で〝お湯殿番の御子〟と半ば蔑みを込めて呼ばれていた。
 十二で江戸の尾張藩邸から追われるように再び尾張に戻っても、故郷にも最早、孝太郎の居場所はなかった。孝太郎は、そんな環境に耐えかね、十六で城を出て、尾張から江戸に舞い戻った。一応、居場所だけは父の許に知らせたが、自分はその時点で尾張藩とも一切縁は切ったつもりだったのだ。
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