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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第5章 《其の四》
松兵衛が子どもたちから金を取ることはない。大抵、ただで子どもらに飴や芋、駄菓子などを与えてやるのだ。親の方もそのことをよく心得ていて、折に触れては松兵衛の許に多めに作った惣菜などを届ける。
長屋では、いわば、そういった物々交換的な関係がほどよく成り立っている。
「じっちゃん、ありがとう」
「じっちゃん、ごちそうさま」
子どもたちが口々に礼を言いながら、芋を持って駆け出してゆく。その後ろ姿を眼を細めて見送り、松兵衛はぶっきらぼうに訊いた。
長屋では、いわば、そういった物々交換的な関係がほどよく成り立っている。
「じっちゃん、ありがとう」
「じっちゃん、ごちそうさま」
子どもたちが口々に礼を言いながら、芋を持って駆け出してゆく。その後ろ姿を眼を細めて見送り、松兵衛はぶっきらぼうに訊いた。