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第7章 第二話【烏瓜～からすうり～】《其の壱》

　たとえ孝俊の傍にいられるとしても、これではあまりにも酷すぎる。そう思うのは、自分の覚悟が足りないせいなのか、甘えなのだろうか。すべてが敵ばかりと言っても過言ではない中、頼りにするのは良人孝俊である。が、その孝俊は政務が忙しくて、日中は顔を見ることもなく、夜、閨で過ごすときだけが二人の時間だった。だが、政に取り組む良人に、そのような自分の繰り言めいた気持ちを訴えることなぞできるはずもなく、美空の心は日毎に潤いを無くし、乾いてゆくような気がする。