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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
 物想いに耽っている中に、知らず小さな吐息が洩れていた。美空は思わず微苦笑を刻み、視線をゆっくりと動かす。
 涯なく続く大海原を彷彿とさせる蒼穹の彼方に、ちぎれ雲が浮かんでいる。それは、はや夏特有の入道雲ではなく、季節が水面下でゆっくりと、しかしながら確実に移行しているのを物語っている。
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