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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
わずか半年にも満たない結婚生活の後、上屋敷にご奉公に上がり、今日に至っている。元々、家庭に入り妻、母となるよりは御殿奉公をする方が性に合っていたと見え、めきめきと頭角を表し、今では若い奥女中たちを束ねる中老という役職に就いていた。その智島がご簾中付きとなったのは美空がこの上屋敷に迎えられた直後のことで、以来、智島は美空の唯一無二の相談役に徹してきた。
智島の存在がなければ、美空は周囲から向けられるあまりの悪意ある視線に、とうにこの上屋敷から逃げ出していたかもしれない。
智島の存在がなければ、美空は周囲から向けられるあまりの悪意ある視線に、とうにこの上屋敷から逃げ出していたかもしれない。