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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
「いや、大事ない」
美空はそう応えると、淡く微笑んだ。
そのいかにも儚げな微笑に、智島はハッと胸を突かれたような顔になる。この年若いご簾中自身はは自覚してはいないのだろうが、雨に打たれた花のような風情がある。可憐さの中にも、その雨にも負けぬようなしなやかな強さを感じさせるものがある。女の自分でさえ、そういった魅力に気付くのだから、殿がこのご簾中に夢中なのも納得はできる気がするのだけれど。