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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
 ふっと花のような笑みを浮かべた後、まるで秘密を打ち明けるかのような小声で囁く。
「鳥を見ておった」
「鳥、にございますか」
 智島が意外な応えに眼を見開く。
「風のように飛び去っていったゆえ、何の鳥までかは、しかとは判らなかったが」
 美空は言うともなしに言い、その後は聞き取れぬほどの声で呟いた。
「鳥は良いのう。翼があれば、ほれ、あのような空の高みまで飛んでゆける。眺めておる中に、あの鳥が羨ましうなってしもうた」
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