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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第7章 第二話【烏瓜~からすうり~】《其の壱》
「ご簾中さま、あまりお心を悩ませられますな。尾張藩は大藩、ここ上屋敷に住まうだけでも数え切れぬほどの者がご奉公しております。されば、様々なことを申す者もおりましょうし、そんな心なき噂がご簾中さまのお耳を汚すこともございましょう。さりながら、そのような下らぬ噂を致す者こそ、心の貧しき者どもにござります。ここの連中は少々、頭が固うございますゆえ、刻はかかるやもしれませぬが、彼等もいずれはご簾中さまの真のお姿を見る日がやって参りましょう」