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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》 
「あの〝千人力の智島〟さまでしょう? 全く、主が主なら、お仕えする者もお仕えする者ですね。うっかりご簾中さまの部屋に近付こうものなら、金棒を持った智島さまに追い払われるでしょう」
「まさか、鬼でもあるまいし、そのようなことはございませんでしょう」
 さもおかしげに相槌を打つ声には烈しい悪意が込められている。
 二人はひとしきり、陰にこもった忍び笑いを洩らした。
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