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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》
それに、美空に親身になって仕える智島までが皆に悪く言われている。その事実もまた美空に新たな衝撃を与えていた。忠勤を励む智島にただひたすら申し訳ないと思う。
美空は廊下に一人、ぽつねんと取り残されたまま庭を眺めていた。上屋敷の庭は広く、たとえ奥庭とはいえ、手入れもゆき届き、四季の草木花が植えられている。今は竜胆が紫色の壺型の花を咲かせ、白い小さな蝶が可憐な紫の花に戯れかけるかりように飛んでいる。