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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》 
 逝く夏を惜しむかのように鳴く蜩の声が物哀しく響いてくる。
―玉ゆらに
 昨日の夕
  見しものを

    今日の朝に
     思ふべきものか

 孝俊が美空に教えてくれたあの恋の唄がふっと思い浮かんだ。〝万葉集〟にも収められているという歌人柿本人麻呂の詠んだ唄。
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