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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》 
 美空がそんなことを考えていると、男が優雅に腰を折った。
「まあ、いきなり声をかけて名乗らなかったのは、こちらの非礼であることに変わりはない。申し遅れました、私の名は松平俊昭」
「松平―俊昭さま」
 美空にとっては初めて聞く名だ。
 男は小さく肩をすくめた。
「孝太郎どのも薄情な。従弟の名前くらい、嫁女に教えてやれば良いものを」
「あなたさまは殿の、孝俊さまのお従弟さまにございますか」
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