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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》
―国許に戻り、次代の藩政を担うために見聞をひろげ、更に修練を積むように。そのためには今から国許を見ておくのも悪くはなかろう。
孝俊が誕生したのは尾張藩の居城名古屋城においてである。その翌年、幼名孝太郎は江戸に下向し、尾張藩上屋敷で暮らすようになった。生母が亡くなり、正室に引き取られるためであった。以来、孝俊は生まれ故郷に一度として戻っていなかった。久方ぶりに眼にする故郷に憧れと希望を抱き、少年は国許に戻った。
孝俊が誕生したのは尾張藩の居城名古屋城においてである。その翌年、幼名孝太郎は江戸に下向し、尾張藩上屋敷で暮らすようになった。生母が亡くなり、正室に引き取られるためであった。以来、孝俊は生まれ故郷に一度として戻っていなかった。久方ぶりに眼にする故郷に憧れと希望を抱き、少年は国許に戻った。