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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第8章 【烏瓜~からすうり~】 《其の弐》 
「城を飛び出した時、俺は気儘な次男坊にすぎなかった。まさか、その五年後に世継の兄上が亡くなられ、俺が嫡子の座につくことになるとは考えもしなかった。それこそ、何かの悪い冗談だとしか思えなかった。思えば、俊昭との間に見えない壁ができたのは、その頃だろう」
 美空は、それまで良人の話にじっと耳を傾けていた。だが、そのときだけは問わずにはいられなかった。
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