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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 それでも、いかにも大店の主人風の男が年頃の娘の一人住まいに繁く顔を見せれば、忽ち長屋中の噂になる。美空から申し出を受けられないと言われ、誠志郎があっさりと退いたのも、そんな心ない噂がこれ以上ひろがらぬようにとの心遣いもあった。
―あの娘には浪速屋の主人の手が付いている。
 無用な噂が立てば、美空の将来の障りになることは明らかだ。
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