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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
 しかし、この花が散れば、直に冬が来る。すべてのものが灰色の陰鬱な色に塗り込められた冬。これまで特に冬が嫌いではなかった美空だが、今年に限って冬の訪れが何となく厭になってしまう。恐らく、美空自身の心のありようが大きく関係していることは間違いない。それでなくともふさぎ込みがちなのに、周囲の光景までが灰色に閉ざされてしまったら、余計に気分が落ち込んでしまいそうだからだ。
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