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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
 美空は我が身に起こったことが俄には信じられなかった。
「は、放して下さい!!」
 毅然として抗議したつもりなのに、懇願するような響きになってしまう。
 何とかして俊昭の腕から逃れようと身を捩るが、俊昭は優男に見える外見からは信じられないほど力が強かった。
「私は本気だ」
 耳許で囁かれ、美空は身を強ばらせた。
 聞いてはならぬことを聞いてしまった―、そんな気がする。
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