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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 誠志郎はけして、美空をしつこく追い回しているわけでも、付きまとっていたわけでもない。ただ、一度は結婚を辞退した美空に、何の見返りも求めることなく、無償の親切を与え続けていただけなのに。
 誠志郎にそのようなことを言わせてしまった自分を、美空は許せなかった。
 やるせない想いで美空が面を上げた時、誠志郎は、やわらかな笑みを浮かべていた。
 そして、以後、二度と徳平店に誠志郎が姿を見せることはなかった。
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