この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
美空は真顔でたしなめる。むろん、女狐の犬というのは、宥松院付きの忠実な老女唐橋のことである。
「そちも相当のお人好しだな」
孝俊は呆れたように嘆息し、その後で朗らかな笑顔を見せた。
「だが、そちのそんなところが俺は好きだ」
あまりに直截な言葉に、美空の頬が染まる。
「たとえ市井で暮らそうと、尾張藩主の妻になろうと、そなたは変わらぬ。いつも真っすくで、ひたむきで優しい。―それに、泣き虫なところも少しも変わってはおらぬな」
「そちも相当のお人好しだな」
孝俊は呆れたように嘆息し、その後で朗らかな笑顔を見せた。
「だが、そちのそんなところが俺は好きだ」
あまりに直截な言葉に、美空の頬が染まる。
「たとえ市井で暮らそうと、尾張藩主の妻になろうと、そなたは変わらぬ。いつも真っすくで、ひたむきで優しい。―それに、泣き虫なところも少しも変わってはおらぬな」