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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
問われ、美空は素直に頷く。
「さようにございますね。烏瓜は普通は山のものですゆえ、お庭に植えるのは確かに珍しきことかとは存じますが、私はこの赤い実を見るのが大好きです。何だか、ずっと眺めていると、心が和んでゆくような気がするのです」
「そうか、心が和む―、か」
孝俊は呟くと、納得したように頷いた。
「この烏瓜は俺の父が植えたものだ」
「まあ、殿のお父上さまが?」
意外な話に美空は愕きに眼を丸くする。