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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第10章 【烏瓜~からすうり~】《其の四》
 何もかもが質素だったけれど、親しい人たちに心から祝福された心に残る祝言であった。あの日の想い出があるのだから、美空は本当に十分だ。
 美空が心からの想いを吐露すると、孝俊は笑った。
「いかにも、そなたらしい応えだな。多分、そう申すだろうと思うた」
 孝俊は祝言についてはそれ以上触れず、唐突に別の話題を口にした。
「ところで、この庭の烏瓜、不思議だと思わぬか」
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