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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
「その顔では、どうやら図星だな」
 孝俊は昏(くら)い笑いを収めると、美空を真正面から見据えながら言った。
「そなたは昔から嘘をつくのが下手だ。いまだに考えておることがそっくりそのまま顔に出るところは昔と変わらぬな」
 孝俊の視線がふっと美空から逸れる。そのまなざしはまた庭に向けられ、紫陽花の群れ咲く辺りを彷徨う。
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