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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
「その正直さが俺は心底、羨ましい。いや、そなたのその変わらぬところが羨ましいのかな。そなたはたとえどこにあろうと、少しも変わらぬ。市井にても、この上屋敷においても、変わらぬ花を咲かせている。俺は真を申せば、そんなそなたに少しばかり妬ましさを感じておるのやもしれぬ」
 予期せぬ良人の心情の吐露に、美空は言葉を失う。今の述懐は果たして賞められているのか、その逆なのか、判断に苦しむところだ。
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