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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》
その数日後、美空は奥向きの居室で、二人の子らと遊んでいた。嫡子徳千代は二歳八ヶ月の悪戯盛りである。次男孝次郞は漸く一歳を迎えたばかりで、これはよちよちと覚束ない脚取りで歩き始めたところであった。
徳千代は最近、木馬に夢中だ。今も若い腰元に支えられ、美しく彩色された白い小さな木馬に跨り、上機嫌である。
「楓、もっと強く引っ張れ」
あどけない口調で、木馬に手を添える腰元に命じている。その様を傍らで美空と智島が笑いを噛み殺しながら眺めていた。
徳千代は最近、木馬に夢中だ。今も若い腰元に支えられ、美しく彩色された白い小さな木馬に跨り、上機嫌である。
「楓、もっと強く引っ張れ」
あどけない口調で、木馬に手を添える腰元に命じている。その様を傍らで美空と智島が笑いを噛み殺しながら眺めていた。