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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
「若君さまっ」
 楓が狼狽えて、駆け寄る。
 派手な鳴き声が響き渡り、楓が蒼褪めた。
「どこか、どこか、お怪我はございませぬか」
 美空は吐息をつき、呆れ顔で両手を差しのべた。
「徳千代君、こちらへいらせられませ」
 徳千代は泣きながら母の腕に飛び込む。
「申し訳ございませぬ、私の不注意にございます」
 大切な世継の若君を木馬から落下させてしまったという失態に、楓は色を失っている。
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