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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
 自分でも思いもかけず、悲鳴のような声になってしまった。
「私は、いやでございます。もう、いや! これ以上、運命(さだめ)に振り回されるのはご免です。今の生活でさえ、私にはいまだに馴染めないのに、そんな将軍さまの、公方さまの妻だなんて―」
―私などに務まるはずがありませぬ。
 その短い最後のひと言を呑み下し、美空は唇を噛んだ。
 知らず涙が溢れる。
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