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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》 
「そちにはこれまでもう十分すぎるほど辛い想いをさせた。この上、更に江戸城へ連れてゆき、苦労をさせるのは忍びなかった。だからこそ、公方さまのご本復を誰より願い、祈っていた。いずれは、将軍にならざるを得ぬ仕儀にあいなったしても、そのときを少しでも先に延ばしたいと思った。だが、御仏はどうやら我が願いをお聞き届けにはならなかったようだ」
 美空は、緩くかぶりを振る。
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