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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第12章 【細氷~さいひょう~】《其の壱》
「どうしても、そなたは俺については来られぬと申すのか」
いきなり手を掴まれ、強い力で引き寄せられる。漆黒の瞳が間近で美空を射貫くように見つめていた。互いの息遣いさえ聞こえるほどの至近距離で、深い闇色の瞳が不可思議な光を放ち、美空を見据えている。
その瞳の奥底に潜む感情は何なのか。
哀しみでもなく、怒りでもなく。
ただ無限の闇へと続くような空疎な瞳が美空を静かに見つめている。
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