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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
鈍色の天(そら)から下りてくる白い花びらが風にくるくると舞い、水面をたゆたう花びらのようにあてどなく漂い流れる。まだ真昼間だというのに、灰色に塗り込められた空は暗く、早くも陽暮れ刻を思わせる。
風に乗って、ふわふわと漂う雪の欠片(かけら)に混じり、時折、煌めくものがある。よくよく眼を凝らすと、それは細氷であった。氷晶、つまり、極めて小さい氷の粒が空中に浮かんでいる現象である。大陸内部や高山などの寒冷地で見られることが多い。
風に乗って、ふわふわと漂う雪の欠片(かけら)に混じり、時折、煌めくものがある。よくよく眼を凝らすと、それは細氷であった。氷晶、つまり、極めて小さい氷の粒が空中に浮かんでいる現象である。大陸内部や高山などの寒冷地で見られることが多い。