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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
むろん、こういった現象は、ここが厳寒期には、かなりの寒さに見舞われるからこそ起こるもので、いわば自然のなせる気紛れな魔法だということは知っている。ゆえに、泣くほど美しいこの光景が滅多と見られぬものであることも。
美空だとて、細氷を目の当たりにしたのは、まだこれで三度めなのだ。美空は幸運にも、この感動的な風景を眼にできた歓びに心浮き立たせながら、長い間、その場に立って煌めく氷の舞を眺めていた。