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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
ずっと降りしきる雪を眺めていたため、雪から眼を逸らしてもまだ視界が白く染まっているような気さえした。美空はこめかみに片手を当て、改めて手のひらが愕くほど冷え切っていることに気付く。それで漸く家の中に戻る気になり、踵を返しかけたその時、白い幕の向こうから次第に人影が近付いてくるのを認めた。
美空の黒い瞳にわずかに緊張と警戒心が漲った。が、その人物の顔が徐々にはっきりとしてくるに及び、軽い吐息を吐く。その表情には、明らかに安堵が混じっていた。
美空の黒い瞳にわずかに緊張と警戒心が漲った。が、その人物の顔が徐々にはっきりとしてくるに及び、軽い吐息を吐く。その表情には、明らかに安堵が混じっていた。