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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
「いや、それは良いんだ。しかし、私はやはり、心配でならないよ。こんな小さな村にたった一人で暮らしている美空ちゃんのことがいつも心にかかってね。夏や秋はともかく、この時季にはこのとおり、この辺りは雪に閉ざされてしまう。女一人の暮らしでは物騒だし、何より不便だろう。どうだい、ここらで私と一緒に江戸に戻る気はないか?」
 誠志郎は穏やかな声音で誘う。
 美空にとっては、有り難い申し出には違いなかったけれど、今更、のこのこと江戸に戻る気は毛頭なかった。
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