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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 誠志郎がこの村で美空の存在を知ったのは、本当に偶然であった。鄙びたこの村には、月に一度、様々な品を商う行商人がやってくる。紅だとか白粉だとか、手ぬぐい、古着、たまには安物の簪などを持参することもあり、村の女たちはこの男の訪れを心待ちにしていた。要するに、身の回りの細々とした品を取り扱っているわけで、格別にこれと決めて売り歩いているわけではない。
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