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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
 そんな男に、美空は両手を合わせたい想いだった。父が亡くなった後も感じたことだが、誠志郎は度量の大きい男だ。男気があるというのか、相手に対してけして見返りを求めない。誠志郎という男を知れば知るほど、美空はこの世に無償の優しさというものが存在することを思い知らされた。様々な人生経験を重ね、商人として多くの人を見、拘わってきただけあって、誠志郎は孝俊に比べれば、はるかに大人の男であった。
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