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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
「それでも、そなたが帰らぬというのであれば、致し方ない」
孝俊が無情に言い放ち、立ち上がる。
美空は泣きながら、孝俊の袴の裾を掴んだ。
「お待ち下さいませ。どうか、どうか、私をひと想いに殺して下さい。この場で私をお切り捨て下されば、殿の御心も幾ばくかはお済みになられましょう。ですから、どうか徳千代はそのままに、寺などには入れないで下さいませ」
泣きじゃくる美空に、頭上から冷たい声が降ってくる。