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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第13章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の弐》
美空は悲鳴のような声を上げた。
「徳千代は殿ご自身のお子ではございませんか。それなのに、何ゆえ、そこまでお憎しみあそばされます」
「まだ判らぬか。全く、愚かな女子だな。俺は徳千代が憎いのではない、俺を裏切ったそなたが憎いのだ」
その時、美空は悟った。
これは、復讐なのだ。孝俊から裏切りという許し難い罪を犯した女への。
徳千代は見せしめに罰せられる。孝俊を裏切った美空の身代わりとして。