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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 おろおろとする美空の前で男は落ち着いた様子で櫛を拾い上げた。
「大丈夫ですよ、割れてもいませんし、ヒビも入ってはいない」
 変わらず穏やかな物言いで美空を安心させるように言う男に、美空は真顔で首を振る。
「それでも、私がしてしまったことに変わりはありません。その櫛を買わせて頂いたら良いのですが、生憎、持ち合わせがなくて」
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