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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第2章 《其の壱》
 と、ここまで言い、またしても羞恥に頬を染める。裏店住まいの十六歳の娘はその日を暮らしてゆくのさえやっとという有り様で、櫛や簪はむろん白粉や紅など我が身を飾る品々を買うことなぞ、およそ思いもよらない。
「よろしければ、そちらは差し上げましょう」
 予期せぬことを言われ、美空は大きな眼を見開いた。信じられないといった表情でまじまじと相手を見つめる。
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