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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第14章 第三話 【細氷~さいひょう~】《其の参》
そんな美空の反応を孝俊は愉しむかのように眺めている。まるで蛇が獲物の前で舌を出すような仕草で、孝俊はニヤリと笑った。
何とも陰惨な笑いである。美しい男だけに、その狂気めいた笑顔が余計に不気味だった。
孝俊に掬い上げられるようにして抱えられ、美空は絹の夜具の上に下ろされた。すかさず重なってくる孝俊の身体から、ほのかに樹木の香りがする。孝俊が気に入り、着物などに焚きしめさせている香のかおりが鼻腔をくすぐった。
何とも陰惨な笑いである。美しい男だけに、その狂気めいた笑顔が余計に不気味だった。
孝俊に掬い上げられるようにして抱えられ、美空は絹の夜具の上に下ろされた。すかさず重なってくる孝俊の身体から、ほのかに樹木の香りがする。孝俊が気に入り、着物などに焚きしめさせている香のかおりが鼻腔をくすぐった。