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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第3章 《其の弐》
「何故か、あなたに逢った日、この歌を思い出しました」
「それは―歌ですの?」
 美空は恥ずかしさに頬を染めた。
「私には難しいことはよく判らないのです。仮名の読み書きがやっとなのですから」
 当時、長屋住まいの娘であってみれば、仮名の読み書きができるだけでたいしたものであった。が、美空にしてみれば、男に愚かな娘と思われたのではないかと考えると、哀しかった。
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