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激愛~彼の瞳に射貫かれて~
第3章 《其の弐》
 男の笑みが深くなり、いっそう優しげなものになる。
「気にすることはない。知らなければ、憶えれば良い。これは、万葉集といって、はるか昔の歌人が詠んだ恋の歌です」
「恋の歌?」
 美空は大きな眼を更に瞠った。
「そう、意味としては、昨夜逢ったばかりのあなたに、一夜のうちに恋に落ちるなんて自分でも信じられないと、まァ、こんなところかな」
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